20代はなぜ「残業しない」「出世したくないのか」
残業出世したくない20代
「ゆとり世代」とも言われる現在の20代の若者の特徴として、
仕事において
「残業したくない」
「出世したくない」
という傾向があります。
かくいう私も同じ考えを持った20代なのですが、
やはり上の世代の方々は、なぜこのような考えを持つのか疑問に思っているみたいです。
では、なぜこのような考えなのか、考えると以下のようになります。
昔は「頑張って報われる社会」
かつての高度経済成長期には、頑張って働けば、給与がどんどん上がっていく、明るい未来が見えるから頑張って働ける、という時代だったわけです。
みんな頑張って働けば収入が増える=社会一般でいう「幸せ」になれたため、みんな一生懸命働いたわけです。
バブル期だってそうです。頑張って働けば、どんどん儲かる。そうすればモチベーションも上がり、みんな一生懸命働くわけです。
このように、たくさんお金がもらえる、そしてそれにより豊かな生活が送れる。そのようなビジョンがあったらからこそ、日本のサラリーマンは辛くても残業徹夜して働いてこれたのです。
では、現在はどうでしょうか。
報われないならプライベート優先したい
バブル崩壊前後に生まれた20代は、生まれてからずっと不景気であり、景気が良いという時代を知りません。
むしろ不景気が普通の状態という感覚で、ずっと生きてきました。
幼い頃から企業のリストラや給与カットのニュースを見てきて育ち、あるいは親がそのような経験に会った人もいます。
頑張って劣悪な労働環境で働いても、給与がなかなか上がらない。新卒でなかなか就職できない。
そのような人々を今の20代はずっと見てきたわけです。
そして、実際に就職したら、働いている上司は頑張って働いてきても、幸せそうじゃない。管理職は仕事に追われるが、残業代は支払われず、ただ辛いだけ。
そのため、頑張って働けば、たくさんお金がもらえる、そしてそれにより豊かな生活が送れる、という働くための最大のモチベーションが無くなり、
「頑張って働いても給与安いし、残業なんてバカバカしい。早く家に帰って、趣味や自分のやりたいことに時間を使おう」
「仕事はあくまで人生の一部、プライベートこそ大事」
「管理職になっても、仕事に追われるだけなので出世したくない」
という考えになったのです。
当たり前です。
これが環境に適応するということです。
20代の考えはこれからのスタンダード
ゆとり世代より上の世代は、まだまだ「頑張って働けば、たくさんお金がもらえる」という考えが残っているため、残業しない20代に対して、批判的であると思いますが、
これは仕方のないことなのです。
20代はただ周りの環境に適応しているだけなのです。
そして、今後日本は少子高齢化など様々な要因により、衰退期に入っていきます。
すなわち、高度経済成長やバブルは二度とやってこないわけです。
「頑張って働けば、たくさんお金がもらえる」という環境は二度とやってこないので、
今の20代の考えは、これから先のスタンダードな考え方になるでしょう。